『ハヤテのごとく!』のヒロイン・アテネの非公式ファンクラブ。アテネFCです。

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眠れない。




 天王州アテネはいつもとは少し違った色合いでその感覚を味わっていた。


 元々、さして寝付きがいいわけではない。それが苦手な朝の低血圧につながるのだが、今夜のそれは、いつもの苛立ちを含んだものではなかった。


 狭いような気がする。手足を伸ばす場所は十分にあるが、いつもは中心で寝るのに、今はやや左寄りだ。違和感はある。



 頭が落ち着かない。眠る場所が少し違う今夜は、頭を乗せる枕もいつものそれではない。物は同じのはずだが、やはり慣れというものがあるのだろうか。



 ちがい、ますわね。



 アテネが寝返りをうつと、そこもやはりいつもとは違った。いつもを僅かに変えた原因。少年の横顔が、月明かりに照らされていた。


 だから、眠れないのだ。



 いつもは一人のベッドに、もう一人、自分の名前を呼んでくれた少年がいる。



 それだけで、興奮している。



「ハヤテ……」

 持て余した感情を、起こさないように、小さく吐き出す。



「なに、アーたん?」

 返ってくるとは思っていなかった返事に驚き、アテネは僅かに体を起こす。



「お、起きていたの?」

「うん。なんだか眠れなくて」

 向き直り、ハヤテが答える。アテネの胸に影が差す。


 彼の様子を見ていれば、細かい事情はわからなくとも、なにか辛いあってここに来たということはわかる。それでも、まったく違う世界に紛れ込んできたのだ。すぐに慣れるはずはないのだ。

 淋しいの?

 そう聞こうとした瞬間、ハヤテが頬を掻きながら言う。

「広すぎて落ち着かなくて」

「広……すぎて?」

「うん。それにこの布団、フカフカだから。あと、ベッドって初めてだから落ちたらこわいなかな」

 照れたようにそう言うハヤテ。


 ほんと、まったく、

「しょうがない子」

 予想もしなかった言葉に吹き出すアテネ。戸惑うハヤテに、笑いが収まると少女は誘う。


「それなら、近づいていいのよ」

「え?」

「ほら、近づきなさい」

 アテネが自分の側の枕を叩くと、ハヤテが身じろぎし、少し体を寄せる。
 まだ、遠い。

「それぐらいじゃ、ダメ」

 布団の下を探り、彼の手をそっと掴む。

「あなたは私の執事なんだから、遅くまで起きて、寝坊しちゃダメ」

 手を引く。抵抗は無かった。そして、アテネは近づいてきた彼の肩を掴む。
 怪訝な顔をしたハヤテの唇に、自分の唇を近づける。
 そして、二人はキスをした。




 その夜の眠りは、いつもよりずっと遅かった。



 終わり



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