Royal Princess Athens

　ヒナからアテネとの関係を問い立たされて、改めてハヤテは自分の中で天王州アテネという存在は何であるのかということを見つめ直す事になる。


　今まで彼女の影を追っていたのは何故だろうと…。


　―――あの時彼女を傷つけてしまったことを謝罪したかったから？


　―――あの時の事が悔やんでも悔やみきれなくて罪と贖罪の念を抱いているから？




　いいや違う。







　それは、もっと単純な想いだった。


　ヒナの問いかけが引き金となって、しまいこもうとしていた思い出とともに隠れていた彼女への想いが発露したハヤテ。それはしまいこもうとしてもしまいこめるものではない。


　ヒナには悪いがこれは当て馬にされたな…。しかし、彼女にはマクロな視点でヒナギクの告白の話を捉えてみようかで述べたような役割と成長のきっかけが与えられるはずであるし、ハヤテにはアテネへの気持ちの再確認と認識、それを基にした行動原理を持たせるための重要な機会となりました。


　なるほど、畑先生がヒナとのディナーの回を分割したのは納得。ここはハヤテにとって重要な回なので、ネームを闇雲に削ったり、コメディが織り交ぜられたライトな感じはこの場ではそぐわない。演出に関しても出来高です。これは畑先生の判断を支持します。



　しかし、ハヤテたちがアテネにたどり着いてからこのコマへ至るまでをハヤテとヒナのそれぞれの視点で読むのは実に面白い。それぞれの心理描写が描かれているだけに感情移入しやすいのでお暇な人は是非お試しあれ。このコマにたどり着いたとき全く正反対な感情を抱くはずです。それも漫画の楽しみ方の1つだよ。







　ところで…






　マリアさんが単独で回想されている件について。


　ついでに言えば、ナギの姿がない。これはハヤテにとってナギは、恋愛感情の有無は抜きにしてもアテネと同じくらい＜特別な存在＞という事なのかな？